SNSの「乾かすだけでサラツヤ髪に」の罠


ここ数年、SNSを開けば「乾かすだけでサラツヤ」「ノーダメージの縮毛矯正」「まるで生まれつきのストレート」など、魅力的なワードが並ぶ投稿を多く目にします。


まるで魔法のように髪が美しく変わる映像や写真は、見る人の心を惹きつけますし、梅雨時期や湿気でうねりや広がりに悩む方にとっては救世主のように映るかもしれません。


しかし、美容師として冷静にお伝えしたいのは

「どんなに美しく見えても縮毛矯正には必ずダメージが伴う」という現実です。


SNSで広まっている情報の多くは「仕上がりの瞬間だけを切り取った広告」であり、そこに潜むリスクはなかなか伝えられていません。


ここでは、縮毛矯正に潜む本当のリスク、そしてSNS情報との向き合い方について整理していきます。




縮毛矯正のダメージは避けられない


まず大前提として理解すべきなのは

「どんなにダメージレスと謳っている縮毛矯正であっても、髪に負担が全くないことは絶対にありえない」

という点です。


縮毛矯正は、髪の内部にある「結合」を薬剤で切り、それをアイロンの高熱によってまっすぐに再結合させる施術です。


つまり、髪の構造そのものを人工的に変化させる行為ですから、必ず組織の一部は壊れます。


しかも「乾かすだけでまっすぐにしたい」「自然なストレートではなく完璧な直毛にしたい」と仕上がりを求めれば求めるほど、使用する薬剤の強さやアイロンの熱量は大きくなり、結果的にダメージは大きくなる傾向にあります。


場合によっては1度の施術で髪の体力を一気に失うケースもあり、特に細毛やハイダメージ毛の方にとっては致命的になることもあります。


基本的に**髪の変化はダメージに比例する**という事も覚えておく必要があります。


「ダメージレス」と呼ばれる薬剤や手法が登場しても、それはあくまで「従来よりは優しい」程度であり、ゼロになる事はありません。


(最近ではノンダメージと称するサロンもありますが、あくまで概念であって実際にダメージが無いなんて事は無いようです。これから注意が必要ですね。)





一時的に綺麗に見える理由


SNSの写真や動画で映し出される髪は、たしかに驚くほどの美しさを放ちます。

その理由のひとつは「コーティング剤」による効果です。


縮毛矯正の施術後には、髪の表面を一時的に滑らかにする成分が使われることが多く、施術直後は光を反射しやすい状態になります。


その結果「鏡のようなツヤ」「糸のようにまっすぐな毛並み」が実現するのです。


しかしこのコーティングは永遠に続くものではありません。

シャンプーや摩擦によって少しずつ剥がれ落ち、早ければ2週間程度で消えてしまいます。


そこから先に現れるのは、薬剤と熱によって体力を失った髪の本当の姿です。

乾燥やパサつき、切れ毛や枝毛といったトラブルが出やすくなるのもこの頃です。





SNSに潜む「見せ方の罠」


ここで特に注意したいのが「SNSの情報との付き合い方」です。

縮毛矯正に限らず、美容関連の投稿にはいくつかの特徴があります。


バズりやすいように過剰表現が多い

「ダメージゼロ」「乾かすだけで生まれつきの髪に」など、現実的には不可能な表現も珍しくありません。人の目を引くためにインパクトのある言葉を選んでいるケースが多いのです。


規制が少ない

医療広告のような厳格な規制がある分野と違い、美容のSNS投稿には明確なルールがほとんどありません。だからこそ「本当に正しいのか?」というチェックが働きにくいのが現状です。


個人で複数アカウントを作れる

一人の美容師が複数のアカウントを持ち、自分の施術を複数の視点から宣伝することも可能です。フォロワー数や反応数が多く見えても、それが必ずしも「信頼できる証」にはなりません。


いいねやフォロワーは購入できる

数字が大きければ大きいほど安心してしまいがちですが、実際にはお金で簡単に操作できます。信憑性を数字だけで判断するのは危険です。


美容師のSNS投稿は広告である

もっとも重要なのはこれです。仕上がり写真や動画は、お客様を集めるための「宣伝」だということ。広告にネガティブな部分はまず載りません。つまり「良い面だけを切り取った情報」だと認識する必要があります。





なぜ「また縮毛矯正を」と考えてしまうのか


コーティングが剥がれて髪がパサついてきたとき、多くの人は「縮毛矯正が取れてきた」「またやれば綺麗になる」と考えてしまいます。


しかし実際は「前回の施術によって髪がダメージし、その素の状態が表面化してきただけ」です。


ここでさらに縮毛矯正を重ねると、残された髪の体力をさらに奪うことになり、最悪の場合はビビリ毛や断毛といった取り返しのつかない状態になりかねません。


縮毛矯正はあくまでクセを伸ばすものであり、トリートメントの様な感覚でとらえてしまうのは非常に危険です。




誰もが憧れる「人形のようなストレート」


もちろん、誰しもが手間をかけずにまっすぐな髪で過ごせたらと夢見ます。


朝起きてそのまま外出できるほどのサラツヤ髪は、多くの人にとって理想的です。

しかし、その理想を完璧に追い求めるほど、髪には過大なリスクがかかることを忘れてはいけません。


縮毛矯正はくせに悩まされる方たちにとってはとても効果的な施術ではありますが、「やり方次第では髪の寿命を極端に縮める可能性がある」ことを理解しておくことが大切です。




まとめ


・縮毛矯正はどんな手法でも必ずダメージがある。

・髪の変化はダメージに比例する。

・仕上がりの美しさは一時的なコーティングによるもので、2週間ほどで本当の状態が見えてくる。

・「ダメージレス」や「乾かすだけ」の表現は誇張されているケースが多い。

・SNSは過剰表現や数字操作が容易で、広告としての側面が強い。

・髪の健康を守るには「広告」と「現実」を冷静に区別する目が必要。


SNSの情報は手軽で魅力的ですが、そこに映るのは「仕上がりの一瞬」や「広告として作られた世界」であることを忘れてはいけません。


縮毛矯正を検討する際には、SNSだけを鵜呑みにせず、髪のダメージリスクを正しく理解し、慎重に判断することが本当に大切です。



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