ヘアケアを重視した美容師は意外に少ないのかも


以前から、ずっと感じている違和感があるんです。


美容室に行くと、トリートメントを勧められたり、ヘアケアに関するさまざまなアドバイスを受けることが多いと思います。


「乾かす前にはオイルをつけてくださいね」「アイロンはできれば低温で、できるだけ短時間で」「月に1回はトリートメントで集中補修を」…

どれもきちんと髪の健康を考えてくれているアドバイスに聞こえるはずです。


でも、その一方で――


「ブリーチをすると透明感がでますよ」「ハイライトをいれると白髪が目立たなくなりますよ」「パーマもかけた方が楽ですよ」「多少傷んでもトリートメントをしとけば大丈夫ですよ」


そんな提案が、同じ美容師の口から発せられることもよくあります。


売上のため、と言ってしまえばそれまでかもしれません。


確かに、サロンワークはビジネスであり、メニューの提案は大切な収益源。


ですが、私がずっと感じていたのは

「ただ単に売り上げのためといだけでなくもっと根深い理由があるのでは?」

ということ。



結論から言えば、その理由は――


美容師自身が実は“ヘアケアを重視していない”からなのかもしれないのです。






美容師という職業に潜む“麻痺”した感覚


そもそも、美容師という職業には「デザイン重視の感覚」が根づいています。


どういうことかと言うと

ほとんどの美容師がこの道を選んだきっかけは「髪を通じて人をおしゃれにしたい」「スタイルを創ることが好き」など、ヘアデザインそのものへの興味や情熱です。


実際、美容師の世界では技術コンテストやヘアショーなど、デザイン力を競い合う場が数多くあります。そこでは、どれだけ個性的なスタイルを作れるか、トレンドを取り入れた表現ができるか、クリエイティブであるかが重視されます。


ところが、そういった創作活動の裏側には、ダメージのリスクが常につきまとうのです。


ブリーチ、パーマ、アイロン、薬剤、頻繁なカラー…どれも髪に負担がかかるものですが、美容師にとっては「おしゃれのためなら仕方ない」「多少のダメージは当たり前」という意識が、ごく自然にあるのです。


これは悪気があるわけではなく、職業病のようなものかもしれません。


毎日のように薬剤を扱い、施術後に綺麗な仕上がりを見ることに慣れすぎてしまい、「傷ませている」という実感が鈍くなってしまっているのです。





ヘアケアに一番無頓着なのは美容師なのかも


もっと顕著なのが、美容師自身のヘアケア事情です。


実は意外と多くの美容師が、「自分のヘアケアには無頓着」だったりします。



美容師は仕事柄、カラーやパーマの頻度が多い。

「いつもブリーチ3回はする・・」「パーマに飽きたらストレートに、飽きたらまたパーマ・・」「毎週必ずカラーしないと色が嫌・・」「赤ばっかだとつまらないから青にしたい‥」

こんな会話は、美容師同士では珍しくありません。


さらに言えば、美容師にとって自分の髪は“一番手軽な実験台”でもあります。


新しい薬剤、新しい色味、話題の技術、最新のスタイル…誰よりも早く試せるのが自分。

となれば、ダメージを気にしている余裕なんて、正直ないのが実情です。


そして、ちょっとぐらい髪が傷んでも「切ればいいや」で済ませてしまえるのも、美容師の特権。


アイロンの温度も、お客様には「140℃以下で」と言いつつ、自分はめんどくさいので180℃で巻いていたり、タオルでゴシゴシ、ブラッシングも雑だった。夜遅くなったからそのまま寝てしまったり。


地肌に関してはもっと鈍感

ブリーチしてどれだけ頭皮が沁みていても「やりたい色にするためには我慢すればいい」とやり過ごしてしまう人も多くいます。


この様に、多くの美容師はダメージに対してのハードルが低くなりやすく、「傷んでいる事が普通」であり、自身のヘアケアにそこまで力を入れている人が意外に少ないんです。







それなのに美容師の髪は綺麗に見える


そんなに無頓着なら、どうして美容師さんの髪って綺麗に見えるの?

と思われるかもしれません。


答えはシンプルで、「綺麗に“見せる”技術があるから」です。


・高品質なサロンシャンプーやトリートメントを、日常的に使える

・スタイリング剤やオイルの使い方を熟知している

・プロ仕様のドライヤーやアイロンを自在に使いこなせる

・ツヤの出し方、まとまりの作り方、ごまかし方を知っている


つまり、実際どれだけダメージがあっても“表面だけ整えて見せる”ことに長けているのです。


その結果、「こんなにブリーチしてるのに綺麗!」と誤解されがちですが、実は中身はボロボロ…なんてことも珍しくありません。


そしてこの「ごまかせてしまう」技術が、ますます美容師を“ダメージに鈍感”にさせてしまう原因でもあるのです。






年齢差がもたらす“感覚のズレ”


もうひとつ忘れてはいけないのが、年齢による感覚の違いです。

現在、日本の美容師の平均年齢は31.7歳。

70歳以上でも現役で働いている人もいる事を考えると

現場の美容師の大半は20代という事になります。


20代であれば、まだまだ髪が元気な時期であり、髪のエイジングはもちろん、白髪、薄毛、ボリュームの低下、うねり、乾燥などの悩まされている人はあまりいません。


当然、そういったエイジングにまつわる悩みを持つお客様と比べると、“実感”がまるで違います。


だからこそ、「このくらいのカラーやパーマなら大丈夫」と判断してしまうし、「トリートメントをしておけば大丈夫です」という無責任なアドバイスが無自覚に出てしまったりもします。


でもお客様の多くは、「これ以上髪を傷めたくない」「少しでもハリやコシを保ちたい」「頭皮が敏感になってきた」などの悩みを抱えて来店されています。


この“感覚のズレ”が、実はサロン内で起きるトラブルの大きな原因になっているのかもしれません。






「デザインか、ケアか」ではなく、「どちらも」が必要


ここまで読んで、「じゃあ、美容師はみんな髪を傷めても平気だと思っているの?」と感じる方もいるかもしれません。

もちろん、そんなことはありません。真摯にヘアケアに取り組んでいる美容師もたくさんいます。


ただ、業界全体として、「髪を綺麗に見せる技術」が発達しすぎて、「髪の健康を保つ意識」が置き去りにされている傾向は否めません。


「ヘアケアはサロン専売品を使って当たり前」

「色が抜けたら染めればいい」

「傷んだら切ればいい」

そんな美容師独特の感覚を持ち続けてしまうのはとても危険。


デザインは大事。

でも、その土台となる髪や地肌が健康でなければ、本当の意味での「似合う」「美しい」は成り立たないはずです。


美容師がこういった“鈍感さ”から脱却するために

これからの時代、美容師が求められるのは「提案力」だけではなく、「共感力」ではないでしょうか。

・お客様がどんな悩みを持っているのか

・なぜその悩みが生まれたのか

・本当に必要なケアは何か

・提案が自己満足になっていないか

自分の感覚だけでと判断せず、お客様の感覚に寄り添い、未来の髪まで見据えた提案をする。

そんな“ヘアケアのプロ”としての視点が、これからの美容師にはより一層求められていくように思います。




まとめ


昨今、多くのサロンで、トリートメントや髪質改善などのメニューが行われていますが

実はヘアケアに重きを置いている美容師は多くないのかもしれません。


その原因は美容師独特の感覚のずれ。


美容師さんたちの髪に対しての感覚は、もしかすると一般のそれとは大きくかけ離れているのかもしれません。


それは、悪気や怠慢ではなく、仕事として長く携わってきたからこその“慣れ”や“鈍感さ”が生んだもの。


でも今、世の中では「髪を傷めずに綺麗にしたい」というニーズがますます高まっています。


美容師自身も、その感覚のギャップに気づき、もっとお客様に寄り添った施術や提案をしていくべき時代に入っているのかもしれません。


「綺麗に見せる」だけでなく、「綺麗を守る」こと。

その両方を担える美容師が、これからの本当に必要な能力なのではないでしょうか。



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