セルフカラーの本当のデメリット
昨今の物価高騰の影響により様々なものが値上がりし家計を圧迫していますよね。
そんな中たまに節約術としてセルフカラーが紹介されています。
カラーをサロンからセルフに変えると年間〇〇円節約!
なんて紹介されていますが確かにサロンと比べると格段に安いので節約としては大きいかもしれません。
でもその節約法方
思っているよりもデメリットが大きいかも。
一般的に言われているセルフカラーのデメリットは
・ダメージが大きい
・色もちが悪い
・色ムラが出来やすい
・思った色にならない
といった感じ
確かにデメリットと言えるものが沢山ありますが、それでも本当にデメリットがこれだけしかないのだとしたら
サロンカラーに比べて圧倒的にコスパの良いセルフカラーに変えることはもしかしたらありなのかもしれません。
例えばあまり色にこだわらないとか、とりあえず白髪が染まれば良かったりなら多少思った色にならなくてもかまわないし
ショートカットだからとか毎回根本しか染めないとかならさほどダメージも気にならないはず。
色もちが悪いとしても家でこまめにやるから何か月かおきにサロンで染めるよりもむしろ気にならないかもしれないし
同じカラー剤をつかえばそんなに色ムラにもならない。
もしそんなケースだったらほとんどデメリットは感じられないはずです。
唯一デメリットと言えるはめんどくさい事ぐらい。
でも結局めんどくささをお金で買うかどうかの違いしかないのであれば
わざわざサロンに行くこと自体めんどうだとも言えるのでちゃんとしたデメリットなんてほとんど無いんですよね。
ただ
ここまで上げたデメリットとはほんの一部
本当に気にしなければならないセルフカラーのデメリットが隠されているんです。
本当のデメリットとは
①出来るデザインがかなり限定されてしまう
美容室に行った際、まずカウンセリングで
「縮毛矯正やパーマはかけているか」
「黒染め、白髪染めはしているか」
「ブリーチはしているか」
「いつ頃やったか」
などを聞かれると思います。
これらは全て施術をする為に必要なことで
これがわからない状態で施術すると失敗する確率が高くなります。
髪は一度染めるだけで元の状態とは全く違う髪になります。
つまり同じカラーをするにしても
今まで1度染めた箇所と2度染めた箇所と3度染めた箇所では
染まり方が全然違ってしまうんです。
しかも1度目のカラーの薬は何なのか
その薬をどれぐらい反応させたのか
どういった染め方をしたのか
これらでも髪の状態が変わってしまいます
もしセルフでカラーしている場合
いつ染めたかに関してはある程度把握できますが
どの箇所にどれくらいどんな薬剤を使用したのか
何分放置していたのか
放置中の温度は 湿度は ラップは巻いてたのか
塗りむら つけむらは無かったのか
どこかに薬剤が溜まってついたりしていなかったか
しっかりと薬剤を流せたのか
などの”やり方”に関する事は本人を含め誰にもわかりません。
そうなると
・パーマや縮毛矯正が均等にかからない
・パーマや縮毛矯正が(部分的に)すぐとれる
・毛先や一部分がチリチリになる
・カラーが変色する
・均等に染まらなく色ムラがはげしくなる
・明るくしようとしても全く明るくならない
・部分的に退色が早くなる
こういったリスクが極端に高くなります。
しかもこれらは事前に予想する事が難しく
どんなベテラン美容師でもやってみるまで結果はわかりません。
ですので慎重に施術を行っているサロンでは
セルフでカラーしてある場合その時点で全ての施術をお断りする事もあります。
それくらいリスクの高いものなんです。
しかも問題なのはそういった影響のでる期間
数か月もすればあまり影響は出ないであろうと考えがちですがそれは間違い。
極端な話、一度でもセルフカラーをしてしまうとその個所は切るまでずっと影響します。
つまり、何年間も先ほどあげたようなリスクを抱えつづけなければならないんです。
たまに
「自分で染めたといっても半年も前だから大丈夫ですよね?」
といった事を言われる事がありますが
正直ケースバイケースなので全くわかりません。
やってみるまでどういった影響がでるかも予想つかないんです。
あくまで保身としてではない前提ではっきり申し上げますと
セルフカラーしている時点で美容室で起こる失敗はしょうがない事と言えます。
(そこをなんとかするのもプロの仕事なんでしょうけどね。)
たった一度のセルフカラーでも髪に与える影響はとても大きく
何年間も出来るデザインは限定され希望のスタイルが出来なくなってしまう事があります。
この写真の方はブリーチや黒染めなどのある意味見た目で分かりやすいカラーばかりなのである程度状況を把握することができますが
同じようなカラーを繰り返している方は見た目での判別はまず難しいでしょうね。
②地肌が老化する
当たり前ですがセルフでカラーする場合カラー後の残留除去は全く行われません。
ただでさえご自身でする場合、薬剤を流したり洗ったりする時間は短くなりやすいし
体に付かないようにしたり周りに飛び跳ねたりしないようにする為に生え際や襟足の方などの流しがあまくなってしまいがちです。
そして市販のカラー剤は薬剤の性質上残留しやすい成分が使われている事もある為
カラー後はサロンで染めるよりも頭皮や毛髪にカラー剤が大量に残留している可能性が高いと言えます。
そしていつも言っていますが残留したカラーは頭皮の細胞を攻撃します。
それにより地肌の痒みや炎症の原因になったり白髪や薄毛の原因になるのはもちろん
頭皮を老化させエイジング毛になってしまいます。
エイジング毛は髪のクセを強くし、うねりや広がり、ちぢれ、乾燥を招いたり、髪のハリコシを低下させボリュームを無くします。
更には頭皮のたるみを作るのでお顔のしわ、たるみ、シミなどにも影響します。
そしてこれら全てに共通して言えることは
「一度そうなると改善はかなり難しい」という事。
極端な話、髪のダメージは切れば無くなりますが
頭皮のダメージは今後一生影響を与える可能性があります。
セルフカラーは髪のダメージなんかよりも頭皮のダメージが問題なんです。
セルフカラーでも実はあまりコスパは良くない
実はセルフカラーでもちゃんとしたカラーをしようとすると結局コスパは良くないんです。
もしセルフでカラーした際に頭皮に悪影響を与えないようにする為に残留除去をしようとするならば、シャンプーなどとは別に専用の除去剤を用意しなければなりません。
除去剤は大体3,000円くらいかかります。
(たまに1,000円程度で購入できるものもありますが効果はほとんどありません。)
しかも一般的に使用できるような除去剤は少し効果が優しめにつくってあるので
1週間位シャンプー等とは別に10分くらいの作業を繰り返して行う必要があります。
そうなるともちろんサロンでカラーするよりはいくらか安くなるかもしれませんが
手間を考えるとむしろマイナスと言えます。
ちょっと余談になりますが私自身DIYが好きでたまに日曜大工的な事をしたりします。
しかしホームセンターで材料とか機材とか買っていると、実は普通に売っている商品を買った方がクオリティも高く値段も安くすんだりするんですよね。
節約目的ではなくただの趣味でやっている事なのでいいのですが
もし自分で作る事が好きでは無いのであれば下手に自分で作ろうとするのではなく、素直に売っているものを買った方が良いと思います。
実際失敗して作り直す事もしばしばありその分高くついてしまいますしね。
一概にカラーも同じとは言えませんが、節約術って言われているものは結構落とし穴が沢山あったりするものなんです。
コスパの良いカラーをするには
結局なところ節約目的のセルフカラーはデメリットが多すぎる為あまりおすすめ出来ません。
基本的にデザインとコストは比例するので、コストを抑えようとするときは求めるデザインも限定する事も必要になります。
例えばヘナやカラートリートメントはセルフで染める事もできますが、これらはダメージの原因となるアルカリや過酸化水素も使わないので髪や頭皮への負担もほとんど無いカラーと言えます。
もちろん残留除去を行う必要もありません。
しかもコスト的にもサロンでカラーするよりもだいぶ抑えられます。
しかし、地毛よりも明るくする事は出来ないし色もかなり限定され、染まりムラも出来やすくなり、その後サロンでカラーしようとしても均一に染める事は難しくなります。
この様にデザインとしてかなり限定されてしまいますが、髪や頭皮を守りつつコストを抑えたカラーをするにはかなり効果的なやり方といえます。
コストを抑える事と合わせてデザインを限定させていく事が上手い節約方法であり
その法則に反して無理やり両方を手に入れようとすると思わぬしっぺ返しに繋がります。
実際、以前セルフカラーなどで頭皮の状態が悪化して薄毛に悩んでいた方が、病院でFAGA(女性男性型脱毛症)の治療を行ったところ、月1万円以上の薬を約1年半ほど服用し続けてやっと元の状態に戻った。という方がいらっしゃいました。
この場合カラーをセルフにすることはコスパが良くないどころかむしろマイナス。
しかも改善されたから良いものをもし改善されなかったらと考えるとぞっとします。
もちろん全ての方に当てはまるわけではないですしカラーが全ての原因になるとも限りません。
しかし、こういたリスクを抱える事を知ってしまうと、思っている以上にセルフカラーのデメリットは大きいという事がわかると思います。
立場的にもセルフカラーをお勧めする事は出来ませんが、もしセルフでする際はちゃんとこういたデメリットを理解してから行うようにして下さい。
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