トリートメントをしない方が良いケース
以前にブログで書いたようにトリートメントをすると逆に髪が傷むケースがあります。
トリートメントでカラー剤が髪に残留しやすくなる
カラーをされる際に残留除去をしっかりとしていないと毛髪内にアルカリや過酸化水素が残留してしまっている。
その状態でトリートメントをしてコーティングしてしまうとその残留物も毛髪内に留まってしまう。
その場合は逆にトリートメントはしないほうが良いと言える。
しかも
サロントリートメントはご自宅のトリートメントよりコーティング力が強いので長い期間残留物を毛髪内留めてしまうのでもっと危険。
確かにトリートメントをした方が一時的に手触りが良くなるのですが
実際はその手触りすらいつか逆転してしまいます。
カラー後の手触りをグラフするとこんなイメージ
青がトリートメント有りでオレンジが無しの髪です。
この様にトリートメントをした髪はカラーした直後はトリートメントの効果で手触りが良くなるのですが
2週間ほどするとコーティングがはがれていき一気に悪化し始め、コーティングがはがれた後も毛髪内に残留物がまだしっかりのこっているので、その後2~3ヶ月間も手触りが悪化し続けていきます。
そして、カラー後3~4ヶ月程してやっと残留物も無くなり悪化していくのも緩やかになっていきます。
その点トリートメントをしなかった髪は
最初はカラー剤に含まれるトリートメント成分で一時的に手触りが良くなったりしますが
その効果はすぐに無くなるので数日で手触りが悪化していきます。
しかし、毎日のシャンプーで残留物が少しづつ毛髪内から流れ落ちていくので、1ヶ月ほどたつと残留物が無くなっていきダメージの進行も緩やかになっていきます。
結果
トリートメントをした髪に比べ1~2ヶ月ほどで逆転してしまうんですね。
しかし多くの方は2ヶ月以内に次のカラーをします。
そしてカラーをされる際にまたトリートメントをして手触りを良くするのでダメージの進行に気づけるタイミングがほとんど無く負のスパイラルを続ける事になってしまいます。
でももしカラー後にちゃんと残留除去をしていたとしたらこんな感じになります。
これも最初はカラー剤に含まれるトリートメント成分で少し手触りが良くなりそれが落ちていく事で手触りが悪化します。
しかし、その後毛髪は安定した状態になるので何もしなければ極端に手触りが悪化する事はありません。
コーティングをする場合は、髪をまっさらな状態にして初めて良いと言えるんですね。
手触りとダメージのギャップ
カラーをしてもトリートメントをする事で一時的に手触りが良くなります。
それが原因で、定期的にカラーをする方で毎回トリートメントをしていると、実際の髪の状態がわからなくなり、いつの間にか負のスパイラルの飲み込まれている可能性があります。
例えば
2ヶ月以内にカラーをされる方で毎回トリートメントをしているとした場合、手触り的にはこんな感じに表せます。
カラーの度にトリートメントで手触りが向上し、時間と共に効果が無くなっていく。
それを繰り返している状態。
それによりダメージは負っているんだけど手触りではあまりわからない状態になってしまいます。
では実際に髪の状態はどうなっているのでしょうか。
もし毎回のカラーの際に残留除去をせずにトリートメントをしているとして、これを髪体力がどれくらい残っているかで表すとこんな感じになります。
髪は一度傷んだら元には戻らないので、カラーをする毎に髪の体力は減っていきます。
さらに
カラーの残留により次のカラーまでの期間もダメージは進行していきます。
この場合回数を重ねるほど実際の髪の状態と手触りがかけ離れていくので
”手触りは良いけどダメージは深刻な状態”
というギャップを作り出してしまっています。
そしてグラフをよく見て頂くとわかると思いますが6回目のカラーの時にはもう髪体力は残っていません。
この状態になるとトリートメントをしてもほとんど効果が出なくなるのでそこからは手触りが良くなることもなく時間と共に悪化するだけになります。
毎回同じ様にトリートメントをしているのにあるときから効果を感じられなくなった方の多くはこの状態です。
こうなってしまってはもう切るしかありません。
こういった負のスパイラルにはまってしまうと
”もう切るしかない状態になって初めて髪のダメージに気づく”事になります。
カラーをされる方は「一回だけ」ではなく「何回も続けて」される方がほとんどです。
カラーのダメージを軽視しトリートメントだけに頼ってしまうと、実際の髪の状態と今の手触りに大きなギャップが出てしまっている可能性がある。
この危険なギャップをあまり大きくしない様にする為にはやはりトリートメントに頼り過ぎない方が良く
これもトリートメントをしない方が良いケースと言えるかもれません。
ちなみにこれも残留除去を行った場合と比べてみると
この様にカラー自体のダメージはあるものの、その後のダメージの進行が少ない為残留除去をしなかった場合に比べると格段にダメージは抑えられる。
この場合はトリートメントを行ってもダメージとのギャップがでにくいので
カラー毎にトリートメントをしていても
「実際は傷んでいるのに傷んでいる事に気づけない」
という困った状態にもなりにくいと言えます。
トリートメントを上手く使おう
以上の事を簡単にまとめてしまうと
「髪のダメージを気にするなら残留除去をしっかりとしないサロンでのカラーやご自宅でのホームカラーをする場合、実はトリートメントはしない方がまだ髪のダメージを抑えることになる。」
ということになります。
実際、以前久しぶりに来られたお客様が
「コロナ禍であまり時間をかけられないから近所のカラーだけのお店にいっていたら
髪がボロボロになっちゃった。」
と仰ってました。
更に
「なんか髪も薄くなっちゃった気もするし、毎回トリートメントしてたのに・・・」
状況を聞く限りまさにトリートメントをしない方が良かったケースですね。
頭皮も残留の影響なのか酸化し黒ずんでしまっていました。
残念ですが正直この状態から取り戻すのには少し時間はかかると思います。
こんなことを書くと
トリートメント = 悪
と安易に考えてしまいがちですがそれも間違い。
トリートメントをする事でサラサラになったりまとまりが良くなったり
絡まりや引っ掛かりが無くなったり艶が出たり
何よりも綺麗な髪は気分が良く髪に対するストレスの軽減になります。
トリートメントをすることのメリットは沢山あります。
ただ前提として覚えておかないといけないことは
・髪は一度ダメージを負ったら元には戻らない事
・トリートメントは化粧水というよりもファンデーションに近いものであるという事
そして何よりも
・本当に髪のダメージを気にするなら”トリートメント以外”が大事だという事
この三つをふまえた上でトリートメントの最適な使い方をして頂けたらと思います。
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