トリートメントで髪が痛む?
「今日はカラーしたのでシャンプーはしないで下さいね~」
と美容室で言われていたら要注意です。
もしかしたら髪の毛には余計な残留物でたっぷりの可能性があります。
さらに
「洗わない方が空気酸化するので色持ちが良くなりますよ」
と言われたらその時点で危険信号です。
20年程前はカラー後の髪に残ったカラー剤の残りが空気に触れ酸化され発色を良くするという「空気酸化」というものが信じられていました。
その頃はこの空気酸化をした方が色持ちが良くなると信じられていたのですが
その後様々な検証が行われ、10数年程にそれが空想だった事が証明された後、今では「空気酸化はしない」が当たり前になっています。
そもそも通常のカラーは空気酸化で色持ちが変わる事はありません。
あるとしても
髪の毛に付着したカラー剤の残りカス(洗い残し)が変化するくらいで
毛髪内部が空気酸化する事はありません。
もしそのカラー剤の残りカスを意図的に残そうとしているのなら
そもそもカラー剤をつけたまま出来るだけ長く何時間でも放置した方が良い事になります。
そんな事したらダメージが大きくなるだけで色持ちが良くなるわけはありません。
カラー剤の発色は長くても40分程
それ以上はただ髪と頭皮を傷ませるだけになってしまいます。
でもカラーした日に洗ったら色が抜けてしまったとしたら
その原因こそが「カラー剤の残留」
その中でも「アルカリの残留」が大きく関係します。
カラー剤にはアルカリ剤が含まれているので、カラー後の髪は本来の弱酸性からアルカリ性へと傾いています。
アルカリの残留が多いと髪が弱酸性に戻らずキューティクルやタンパク質の間に隙間ができその隙間から染料が流れ落ちていきます。
でも、以前も申し上げたように一度髪に進入した残留物は一説によっては長ければ半年以上残るとも言われています。
ですので、もし髪にアルカリ剤が残留している状態ならば
カラーした日に洗って抜けてしまう色は、1日空けても1週間空けても同じ様に抜けてしまうことになります。
つまり、カラーした日に洗わないとしてもそれは
「シャンプー1回分だけ色持ちを良くしただけにすぎない」
という事になります。
結論を申し上げますと
カラーした日でもシャンプーして大丈夫です。
(特殊なものは除きますが)
もしそれで色の抜けが早いならそれは他に原因があるので1日空けてもさほど変わりません。
カラー後の残留アルカリの除去をちゃんとしていれば
「カラーした日に洗わない方がいいですよ」
って言われる事はほとんど無いんです。
でも実はもっと怖いのが
このカラーが残留している状態でコーティング系のトリートメントをしてしまう事。
察しの良い方はなんとなく想像がつくとは思いますが
多くのトリートメントには髪の毛の表面に膜をはるコーティング剤が含まれています。
特にサロンで行うトリートメントはコーティング力が強いものが多く
その為、お家でするトリートメントよりも長く手触りが良い感じになります。
しかし
髪にパーマやカラーの残留物が残された状態でコーティングしてしまったら
シャンプーなどで自然に流れ出るのを邪魔してしまうので
残ったアルカリ剤や過酸化水素はずっと髪を内側から破壊し続けます。
しかもコーティングが強ければ強いほどその期間は長く
自然に流れ落ちることも無いので長期間髪を破壊し続けてしまいます。
その状態で次のカラーをしさらに残留物を増やしコーティングする。
この繰り返しが髪を内側から完全に破壊してしまいます。
ですが毎回トリートメントでコーティングしている為、手触りは一時的にではあるけどなんとなく良い感じになってしまいます。
その為、トリートメントが効かなくなるくらい本当に手遅れになるまで気づくことも出来ないんです。
これってかなり怖い事ですよね。
でもなぜちゃんと残留物の除去をせずにトリートメントをしてしまうのか
まずは以前も説明したように残留物をしっかりと除去しようとすると
・手間がかかる
・時間がかかる
・コストがかかる
・難易度が上がる
というデメリットがあるので出来る店が少ない事と
なによりもそれ自体はお客様に伝わりづらいからです。
トリートメントが1000円で出来ますよと言ったらやる方は多いかと思いますが
カラーの残留物を除去するのに1000円かかると言われたらいかがですか?
目で見る事も体感する事も出来ない事よりも、効果を触り心地で実感できるトリートメントの方が選びたくなりますよね。
たしかにその場での手触りはトリートメントした方が良くなります。
でも1ヶ月後髪の状態は……と考えると明らかに前者の方が髪には良いんです。
トリートメントをするなら絶対に残留物の除去をちゃんとした後にしないと髪には逆効果になります。
極端な話、髪の為には残留物が残った状態ではトリートメントはしない方がまだましと言えます。
これからカラーやパーマをされる際は覚えておいて下さい。
ちなみに市販のカラーにはトリートメントが付属されているものがあります。
これも全く同じなので例え手触りが悪くなったとしても絶対に使用しないでください。
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