白髪は2度と黒髪に戻らないのか？

以前お客様からこんなご質問を頂きました。

「一度白髪になるともう戻らないんでしょ？」

同じ事が気になっている方も多いかと思いますのでここでお答えします。

最初に答えから申し上げますと

"戻る可能性はあります"

一度白髪になった毛でも黒髪になって生えてくる可能性は十分ありえます。

しかし、その中でも戻る可能性の低い白髪もあります。

最初にあえて戻る可能性の低い白髪を説明します。

（ちょっと専門的なので読むのに疲れるかもしれませんのでご了承下さい）

皮下組織にはメラノサイト（色素細胞）というメラニン色素を作る工場の元となる細胞があるのですが

正常な状態では、そのメラノサイトという細胞のさらに元である細胞、色素幹細胞というものが毛球内を移動してメラノサイトに変わり、その事によりメラニン色素が生成されます。

しかし

白髪の場合、その色素幹細胞自体がなくなってしまっている可能性があります。

それには「ゲノムストレス」が関係しています。

ゲノムストレスとは

日常の紫外線や精神的ストレスそれらによって発生される「活性酸素」等によりDNAが傷つけられる事です。

専門用語が出てくるとわかりづらいですね。

簡単に説明すると

紫外線、ストレス、パーマやカラーなどに含まれる過酸化水素により

頭皮の内部に発生した活性酸素が髪を黒くする元の細胞を攻撃して壊してしまうって事です。

これが白髪の原因の１つになるなります。

なぜこれが「黒髪に戻りにくい白髪」なのかというと

残念ながら完全に色素幹細胞がなくなってしまった場合はメラノサイトが復活することが無いからです。

それは

「17型コラーゲン」の欠如が関係していて

17型コラーゲンが欠如すると色素幹細胞が生成されなくなるからです。

しかもこれはまだ経口摂取や外部添付によって供給することはできません。

つまりどんな薬を飲んでも付けても戻らないという事。

現在では一度なくなってしまうともう奇跡的に復活するのを待つしかないんですね。

ですので白髪が戻る可能性は極めて低いんです。

（先日改めて調べてみたところ、17型コラーゲンを増やすのはやはり難しく、現在では減らさない為の薬が開発されている様子）

ですので、こうなってしまう前にやるべきことは

・紫外線に気をつける

・ストレスを減らす

・パーマやカラー後の活性酸素の徹底除去

の3つを普段から気を付ける事が重要になります。

特に美容室ではこの

”パーマやカラー後の活性酸素の除去”を気をつけなければ黒髪に戻らない白髪を増やしていく事になります。

では逆に

「戻る可能性のある白髪」とはどんなものか

それは

メラノサイトやメラニン色素を受け取る毛母細胞の機能不全によるものと

メラニン色素を作る材料の不足の２通りにわけられます。

前者は

黒髪を作る色素は出来ているのだが運搬が上手く行かずに毛髪まで運ばれていない状況になる事。

後者は

チロシンやチロシナーゼなどが足りなくなりメラニンが正常に生成されない状態。

この二つで共通して言えることは

どちらも色素を作る元の基幹が無くなったわけでは無いので

何らかの障害を取り除けば戻る可能性があるという事。

これらをふまえた上で白髪を戻る方法と対策は

まずはゲノムストレスを抑える為に

・紫外線を防ぐ

・精神的ストレスをためない

・パーマ、カラーなどで発生する活性酸素を除去する

特に美容室では活性酸素の除去を徹底的にすること。

ご自宅でカラーをされる際はこのリスクを持っている事を理解した上でご使用下さい。

そして

・体外から摂取する栄養のバランスを整える

（特にミネラル、ビタミン、アミノ酸は毛髪の育成に必須）

・栄養が行き渡る様に血行を促進する

・十分な睡眠をとる

こういった基本的なことが必要になります。

散々小難しい事を言ってきましたが

結局なところ毛髪も体の一部

結局健康が第一になります。

その上で避けられるものは出来るだけ避けるようにしていく

パーマやカラーなどで頭皮の細胞が傷つけられては本末転倒

黒髪に戻る可能性は極めて低くなります。

特に白髪染めをまめにされている方は気をつけなければなりません。

それこそ以前ブログにも書いた様に

「白髪染めが白髪を増やす」

結果になってしまいます。

美容室でカラーをしていたとしても

ささっと流されてパパッと洗われてちょろちょろっとなんかつけられた

そんな程度な感じをされた場合は少し考えてみて良いかもしれません。