湯シャンってあり?なし?
以前からたまに耳にする”湯シャン”
最近たまたま話題に出たので今回はその湯シャンに対しての個人的見解です。
そもそも湯シャンとは
シャンプーを使用せず湯に流すだけで済ませる洗髪を指す言い方。「ノーシャンプー」「ノープー」と呼ばれる場合もある。
シャンプー剤は往々にして、ラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウム等の様な、髪を乾燥させると信じられている硫酸塩を含有する。あるシャンプー剤は毛髪をコーティングするシリコン誘導体を含有する。シリコン誘導体は毛髪を保護し、より扱い易い状態にしているが、同時に、毛髪を覆う薄膜が毛髪に水分が入るのを妨げ、結果として過乾燥状態になってしまう。以下略
(ウィキペディア参照)
とあります。
ここに書いてある事を見るとなんか良さそうな気がしますね。
湯シャン派の方からはシャンプーをしていなかった江戸時代の人の方が髪が綺麗だったという意見もありますが確かにそんなイメージもあります。
しかし
現在では実際にシャンプーを使わずいられる方ってかなり限定されるのではと思います。
湯シャンが限定される理由は3つ
・生活習慣
江戸時代などと比べると格段に食生活が変化しました。
油ものは増え、摂取カロリーも増え、単純に食事の量が増えました。
それに比例して皮脂の分泌が増え髪や頭皮は汚れやすくなっています。
(そのおかげで肌や髪が潤うという事でもあるんですけどね)
更に湯シャンの場合毎日のブラッシングが必須。
ゆっくり丁寧にかつまめにしなければならないので夜に活動をしていなかった時代に比べて時間の確保が大変。
しかも夜の活動が増え、同じ時間のサイクルで動けない事で副交感神経の働きも乱れやすくなっている。
正常なサイクルで生活していない場合、過剰に皮脂が分泌されたりするので、時間が不規則な人ほども寝る前に一度リセットする必要があります。
その場合、ブラッシングだけだと少し心もとない感じがあります。
・スタイリング剤
最近ではワックスやヘアオイル等髪に何もつけていない人の方が少ない。
ワックスやスプレーなどはもちろんですがヘアオイルでも植物性と書いてあってもシリコンの代わりになるものがたっぷりなのでお湯だけで落とすのは困難です。
むしろ簡単に落ちてしまうような商品はあまり効果が感じられないのでほとんどの商品が日中できるだけ落ちにくいように出来ています。
お湯だけで食器を洗ってみた時を想像したらイメージしやすいと思いますが、そういったスタイリング剤をお湯だけで落とすとしたらかなり長時間流し続けなければならなくなってしまいそれはそれで髪のダメージになってしまいます。
その場合、界面活性剤をつかい油分を分解した方が短時間で汚れを落としやすくなります。
・ヘアダメージ
最近では女性の7割以上がヘアカラーをしていると言われています。
そして、カラーやパーマなどをされている髪は少なからずダメージをを負っています。
以前ブログでも書きましたが、ダメージを負った髪は汚れを吸着しやすい性質になるし、頭皮に皮脂が溜まりやすくもなります。
特に何もされていない方でダメージが全くなければ良いのですが
それでも今はドライヤーやアイロン等の熱のダメージがあったり、紫外線も年々強くなってきているのでそういったダメージも昔よりリスクが高くなっています。
現在の日本人で髪に全くダメージが無いと言える人はほとんどいないのかもしれません。
現代人に合わせたケアを
以上の事をふまえると
湯シャンだけで頭皮を清潔な状態に保てる人はかなり限定されるのではと考えられます。
湯シャンにしたい場合は生活習慣から見直さないといけないのかもしれません。
(元々の体質にもかなり左右されますしね)
確かにシャンプーに含まれる界面活性剤や防腐剤などは決して良いものではありません。
しかし、実際シャンプーに含まれているそれらは全体の0.1%以下程度しか含まれていないのでそれほどの害を及ぼすとは考えにくいです。
逆にそれがもたらすデメリットよりも汚れが残ってしまうデメリットの方が大きいのではと個人的には思います。
そしてなによりも平均寿命が30代と言われていた江戸時代では100歳まで生きる現代とは「美容寿命が」まったく違うんですよね。
美容寿命とは簡単に言えば綺麗でいられる寿命。
昔だったら30歳まで綺麗でいられたなら十分かもしれませんが
今もし30歳まで綺麗でしかいられないなら、その後60年以上も・・・・・・・。
と考えたら怖くてしょうがないですよね。
とにかく現在と昔を比較する事はかなり無理があり
今は「何歳まで綺麗でいたいか」というのがとても重要です。
そしてそれらは努力次第でかなり実現できる時代になってきています。
髪で言うならば一番注力すべきは綺麗な髪を作る土台である頭皮。
その頭皮をどれだけ健康な状態に維持していくかが重要になります。
湯シャンはその為の一つの手段ではありますが向き不向きがあり、現代人の生活では不向きな人が多いのではと思われます。
頭皮環境は人それぞれで年齢や季節や環境により日々変化していきます。
一つの考え方にとらわれずに「今の自分に合ったやり方」を常に模索してく事が必要で、その為のアドバイスも美容師の仕事の一つなんだと思います。
0コメント