1000円カットってあり?なし?
最近では当たり前になった1000円カット
駅前やショッピングモールや街中に必ずと言っていいほど見かけます。
今までご利用になられた方もいらっしゃると思いますが
その中でもその評価は賛否がわかれています。
では実際1000円カットってどうなのか。
ポイントはカットにかかる時間
そもそもなんで1000円という破格の値段でカットできるのかというと
そこには”カットにかかる時間”が大きく関係しています。
多くの美容室ではシャンプー ブロー カウンセリングなどを含めて
カットの所要時間を60分程にしていることが多いです。
しかし大手1000円カットのチェーン店ではカットは一人10分(長くても15分)に設定されています。
ですので単純に通常の美容室の6分の1くらい
いくらシャンプーなどが無いにしてもかなり短い時間です。
でもその短い時間で仕上げる事で
1000円 × 6(1時間) = 6000円 となり
実は美容室での6000円のカットと同じ金額になってしまうのです。
では美容室でカットすることは本来どれくらいの時間を要するものなのか。
カットは大まかに分けて3つの工程に分けられます。
・長さ形などを作るベースカット
・髪の量を減らす量感調整
・前髪や細部 質感などを作るカット
人やお店によってやり方は異なりますがほとんど場合この3工程から出来ています。
そしてそれらは1つの工程で約10分程の時間がかかります。
つまり本来美容室で行われているカットはシャンプーやブロー等を抜いてカットだけにしても30分位かかってしまうということになります。
もしこれらをトータル10分で終わらせるとしたら1つの工程を3分ちょっとで切らなければならない。
実はこれってなかなか至難の業なんです。
ですので同じ事をしようとするとどうしてもどこかを省略したカットになってしまう。
(おそらくここがトラブルの原因になるんでしょうね)
1から全ての工程を切るにはどうしても時間が足りないんですね。
短時間でカットする為には
では1000円カットではどうやって短時間で終わらせるのか。
それはカットの「型」を作る事。
空手の型の様に先程の3つの工程を1つにまとめて10分で切り終わる型をつくり
それを繰り返し行う事で無駄な動作をそぎ落としていくもの。
その型を何パターンかに決めてしまいそれを繰り返し練習することで
普通の美容室では何年もかかってしまうカットの習得をわずか数カ月で覚えられるほど短縮できるようになってしまった。
一見すごく合理的な方法に感じますよね。
でもなぜこんな合理的な方法があるのにそれを採用する美容室が少ないのか。
それは「型」のカットにはとんでもない落とし穴があるからなんです。
「型」で切るデメリット
型のカットは折り方を覚えた折り紙のようなもの
一度折り方を憶えればほとんど同じような形に折る事が出来ます。
しかし折り紙は正方形の紙があって初めて簡単に出来るものです。
もしその紙が長方形だったりましてや丸やいびつな形をしている場合
簡単な鶴でも折るのは難しくなります。
つまり
「型」はあくまで”普通”を想定して作られているので
その人の髪の 癖 量 生え方 太さ 硬さ 頭の形
それらがが全てベストの場合のみ初めて型にはまった形に切ることが可能になります。
しかし以前ブログに書いたように全てが平均の人なんて存在しません。
ですのでどうしても型にはまらない部分が出来てしまい
結果
”何かが思ったようにならない”という事になってしまうんです。
しかも人の頭は折り紙よりも遥かに複雑で不規則でいびつな形している。
そして折り紙のように正方形に折りなおす事もできないのでその場所に応じて切り方を変えなければ対応できない。
ですのでカットを「型」でしかおぼえていないと”それ以外”の応用が利きづらくなってしまう。
その応用が利かなくなる事をほとんどの美容師さんは知っているので時短で回転率重視で営業している美容室以外はこの「型」で切る方法を採用していないんです。
逆に多くの美容室ではパーツごとに合わせた何千通りもの”こういうときはこうする”という
ケーススタディを行うのでカットを細かく覚えるのに何年もかかってしまうんですね。
一見遠回りのようにも思えますが千差万別の髪に対応するにはどうしても必要なことなのです。
1000円カットがお勧めのケースも
それでも1000円カットをお勧めする場合もあります。
例えば
出来るだけ年間の美容室代を抑えたい為に年に2回しかカットしない。
しかしたまにしか切らなから尚更ちゃんとしたところで切りたいのでカットが6000円のサロンに行っている。
この場合年間のカット代は合計で12000円になります。
しかしどんなに優秀なカットをしてもそのスタイルを維持できるのは長くても3ヶ月程度。
それ以降そのスタイルは必ず崩れていきます。
つまり年間12000円かけても良い状態でいられるのは半分しかありません。
その点1000円カットだったら毎月カットしても年間の金額は同じ12000円。
確かに出来るスタイルは限られるかもしれないけどよほど下手でなければある程度良い状態を維持できます。
もしカット代を節約したいのであればカットする頻度を減らすよりも
1000円カットをまめに利用する方が良いのかもしれません。
それ以外にも前髪等を少し切るだけとか少し量を減らすだけとか
やる事を限定していくのも失敗しないポイントです。
先程も説明した通り1000円カットは時間が制限されている為
1から10まで全てを整えるのは難しい。
ですのでやる事を限定しておけばそれなりに時間をかける事が出来るので理想からかけ離れてしまう事は少ないと思います。
カットとカットの間の調整程度に利用するのもありなのかもしれません。
結論としては
1000円カットはありなしというか要は使い方次第
普通の美容室でのカットとは別物として考えておいて
上手い使い方をすれば”あり”なのではないでしょうか。
しかしどんなサロンでも人によって上手い下手もあるし合う合わないとかがあるので
結局はそういった事を見定めなければならないのは1000円カットでも6000円の店でも変わらないんですけどね。
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