有名なモノは良い?
美容室でよく目にする〇〇カラーや〇〇トリートメント。
有名なんだからきっと良いはず。
しかし
有名なものが必ずしも優れているとは限らない。
今回はそんなありがちな話。
スマホの件で例えると
日本ではシェア率68.6%の圧倒的ナンバー1のiPhone
しかし世界で見ると
1位サムソン(21.6%) 2位ハーウェイ(17.6%) 3位アップル(13.9%)
世界では第3位
スマホユーザーの7人に1人以下しか使用していません。
なぜ日本ではこんな圧倒的な1位のになったのでしょうか?
原因の一つはガラケー
日本では携帯電話がガラパゴス携帯と言われるくらい日本だけ様々な機能が付けられ、独特な進化をしていました。
そのため世界市場がとっくにスマホに乗り換えている中、ガラケーが使いやすいため手放したくない人が多かった。
そのため世界のスマホ文化からはかなり遅れてスタートすることになりました。
完全に出遅れた日本人は初期のスマホを見たこともなかったので操作が分からず扱いきれなかった。
そこで登場したのがiPhone
アップルは独自のIOSをつくりホームボタンも一つだけにして
より簡単な操作で利用できるようにしました。
スマホ初心者だった日本人はこの手軽さに飛びつき
もともと周りと同じだと安心する国民性もあり一気にシェアを拡大したと言われています。
つまり、iPhoneはその時の日本人にとって一番都合の良いモノだった。
結局なところ
それを買う人達にとって一番都合の良いものが一番有名になっていく。
その逆のパターンがイチローのバット
彼のバットは独特で普通の選手が使うものよりもかなり細く作ってあり
芯と言われる部分もかなり細くなっているようです。
その為プロ野球の選手でも同じものを使える人はほとんどいないので、そのバットが市場に出回る事は無かった。
でもそのバットが優れているかどうかは彼の成績が証明してますよね。
モノの優れているかどうかは扱う人により違い
より多くの人に都合が良く作られているものがシェアを広げ
結果”有名”と言われるものになっていきます。
では美容師業界で当てはめるとどうでしょうか?
よく目にする
○○カラーや
○○トリートメント
これらも誰にとって都合が良いのかを考えれば答えは簡単。
ほとんどの場合
それを扱う”美容師にとって都合の良いモノ”であり
それが必ずしも、お客様にとって優れているとは限らない。
美容室の薬剤を作る側からすれば
お客様は美容室に来ているお客様ではなく実際にその薬剤を買う美容室なんです。
そして、有名になる背景にはもう一つの側面があります。
それは”宣伝力”
宣伝力は商品の売り上げに直結します。
TVや雑誌 SNS 最近ではYouTubeなどを利用したり
有名なタレントや有名なサロンとコラボした宣伝も多く見られます。
こういった宣伝力で一時期有名になったのが
スカル〇D
インパクトのあるCMとSNSでの戦略で一気に誰もが知る商品になりました。
当時、様々なランキングで軒並み1位の売り上げ
宣伝力がそのまま結果につながった例です。
しかし、最近ではランキングにすら載らなくなってきました。
シャンプーに詳しい方ならなんとなく理由はわかりますよね?
つまりモノの良さよりも宣伝力があるモノがより有名になりやすいという事。
さて、またこういった事を美容室に当てはめてみます。
美容室の場合はちょっと複雑になります。
これも先程書いたように薬剤をつくるメーカーからすればお客様は美容室自体だからです。
そして、その薬剤を買う美容室からしたら、宣伝したいのは薬剤ではなくあくまでお店。
ですのでメーカーはどんな宣伝をするか
「すでに有名な所にのっかってしまえば宣伝効果が高いのでは」
”有名美容師〇〇が監修した〇〇カラー”とか
”有名サロン〇〇で人気の◯◯トリートメント”などなど
そうすれば勝手に有名な所(人)が宣伝してくれるので改めて宣伝する必要が無い
「〇〇トリートメント取り扱い店!」
の様に有名なモノの名前を借りる事で自然と自分の店の宣伝になる
そこに目を付けたんですね
しかしこういった方法はあまり長くは続きません。
結局有名になればなるほど多くサロンがそれに手を出し始めるので
だんだんとその宣伝効果は薄まっていきます。
そうなると価格勝負
同じものをより安くするために出来るだけコストを削減しようとします。
そうすることでそのモノ”本来の良さ”が失われ次第に自然消滅していってしまう。
これが美容室で扱われる有名なモノが消えていくありがちなパターンです。
ちなみに有名なものを否定しているわけではありません。
良いモノは良いし、実際私も使ってます。
ただ
そのモノが必ずしもその人に合うとは限らないのであえてそれをお勧めする気はないですし
常に新しいモノを試行錯誤して良いものへ変えていますので
半年後に同じモノを使っているとは限らないからです。
今も気になる薬剤が次々と発表されてますしね。
それに
有名だからと手を出してみたものの
それを扱いきれずトラブルになるケースは沢山あります。
結局美容室はモノでは無くヒトなんですよね。
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