縮毛矯正は髪の体力に注意

縮毛矯正をかける場合に絶対に気にしないといけないのが

「髪体力」

髪体力とは髪のタンパク質量や水分量やキューティクルの状態などを含めた

いわゆる髪の寿命みたいなもの

髪体力が無くなると

簡単に切れたりゴムみたいに伸びたりチリチリになってしまったりします。

縮毛矯正は

強い薬剤や高温のアイロンなどで髪の体力を著しく減少させる可能性があるメニューであり

矯正の種類ややり方によって髪体力を一気に０にしてしまう事もあります。

髪体力は減点方式

一度失われた髪体力はどんな高いトリートメントをしても元には戻りません。

仮に健康な状態を100として一度の縮毛矯正で体力が70減ってしまったとしたら

残りは30しかなくなります。

そしてカラーが一回で10減ると考えるとその髪はあと3回カラーをすると0になり

切れたりチリチリになってしまう。

もし2ヶ月に一回染める方なら半年しかもたないのでメンズライクなショートカットにしかできませんね。

それなりに長さが欲しい方ならこうなる前に出来るだけ髪体力を残さないといけません。

しかし

縮毛矯正にはコーティング力の強いシリコンやポリマーなどが沢山入っており

髪体力がほんの少しでも残っていれば一時はサラサラな状態に仕上げる事も出来るので

実は中身はスカスカな状態でもその時は綺麗に見えたりします。

矯正もカラーと同じようにその場ではダメージがわかりにくいんです。

ですので大体の場合

２週間から１ヶ月程経つとコーティングがはがれて本来の姿になっていきます。

この頃になると

普段の扱い方なのか紫外線なのかアイロンなのかその後のカラーなのか

ダメージの原因はわからなくなってきます。

実際は１ヶ月前の矯正で髪体力がほとんど失われていたのかもしれません。

そして最近ちょっと気になってきたことが

「結構大胆な矯正をかけるとこが増えた」ということ。

分かりやすく言うと本来なら４０ぐらいの力でもちゃんとかかりそうな髪に

６０とか７０ぐらいの力で結構強くかける矯正ということ。

(ここでの強くとはまっすぐさとは別です)

それにはもしかしたら最近の美容室事情が大きく影響しているのかもしれません。

考えられる理由は2つ

1つ目は

「ダメージレスな薬剤の過信」

以前ブログで書いたようにこういったダメージレスな薬剤というのは、実際はダメージが無い薬剤なのではなく

”余計なダメージを負うリスクが少ない薬剤”又は”ダメージを感じさせない薬剤”の２通り

そして縮毛矯正はこの２つ両方の性質をもった薬剤が多い

それにより

お客様はもちろん美容師サイドも実際のダメージがわかりにくい状況になっています。

その為

”この薬剤なら何をやっても大丈夫”といった過信をしてしまう事があります。

実際はどんな薬剤を使ってもダメージが無いことなんかありえないので

過信しすぎた使い方は思っている以上にダメージをかけている可能性がある。

それが薬剤に対しての過信です。

そして２つ目は美容室の都合

縮毛矯正は髪体力を一気に０にしてしまう可能性がありますが

コーティングが強いので少しでも髪体力が残っていれば一見サラサラに見えてしまう。

極端な話

髪体力が７０あっても２０しか残っていなくても一見同じように見えてしまうということ

人によってクセの強さや髪体力の量が違うのであくまで大まかにですが

もし仮に図のような髪の感じだとしたら、本来なら７０の所を狙ってかけるのが理想です。

しかし

髪に絶対なんてありえないのでもしかしたらかかりが弱くなってしまうリスクがある。

そうなるとかけなおしになったりするのですが

縮毛矯正はただでさえ時間のかかるメニュー

かけなおすといってもさらっとは出来ません。

そうなるとお客様の負担はもちろんですが

美容師としてもクレームになったりするのも怖いし更に時間がかかるのでかけなおすにしても大変

仕上がりにたいした違いがないのであればわざわざリスクを冒すことはしたくない

結果

最低限でかかるよりも保険で強くかけるといった選択になってしまいます。

それによって必要以上に髪体力を削ってしまい

その後

むりやりパーマをかけたりカラーをしたりすると髪体力は０になり切れたりしてしまう。

もちろん個人差はありますが

今後カラーを続けていきたい方やパーマかけたい方

そうでなくても肩下以上伸ばしたい又は維持したい方は

たとえかけ直しのリスクを負ったとしても出来るだけ髪体力をのこした矯正にしないといけません。