美容師が教えたくない髪のダメージの真実

よくお客様から

「縮毛矯正をかけるのと毎日アイロンするのはどちらが傷みますか?」

という質問を受けます。


正直この回答は”やり方次第”です。


確かにどちらもダメージがある事は間違いないですが

毎日アイロンをしていても温度を140℃以下にしてテンションもかけないで使用しているとしたらおそらく縮毛矯正の方がダメージが大きい。

逆に180℃以上で使っていたら矯正よりダメージが大きくなってもおかしくない。



このようにほとんどの場合髪のダメージはやり方によって大きく変わるのでダメージの大小を比較するのは難しいんです。


しかし

やり方に関わらず比較できるケースもあります。


例えば

”毎日乾かさないで寝る事”と”ヘアカラー1回”のダメージがどっちが大きいのかといった質問。


これも一見比べるのは難しく感じますよね。


美容師さんに散々乾かしてから寝て下さいって言われてるし、カラーもダメージレスならそこまで傷まないんじゃないかもしれない。


これも結局やり方次第なんじゃないの?


と思ってしまいがちですが



実はこれはやり方に関係なく



圧倒的にヘアカラー1回のダメージの方が大きいんです。



例えばカラーのダメージを100としたら

乾かさないで寝る事自体は0.1とか

どれだけ大きく見積もっても1まではいきません。


(健康な状態の髪を100日乾かさないで寝てもカラー1回のダメージが大きいという事)


その他にもやってしまいがちな

きつくブラシを入れてしまうとか

ドライヤーで乾かしすぎるとか

乾かす前に何もつけないとか

どれもカラー1回のダメージと比べたら大した事はありません。



毎日ちゃんと乾かして

ドライヤーの当て方も気をつけて

ドライヤーを高価なものに変えて

高額のヘアオイルを使って

丁寧にブラッシングして

寝る時も摩擦を抑えるように結んで寝てと

散々手間をかけて大事にしてきているのに

たった1回セルフカラーをするだけでそれら全ての努力は確実に無駄になってしまいます。


たとえサロンカラーだとしても残留除去もしない様な雑なカラーをしていたら同じ


すごくもったいないですよね。


逆にこういった方は、ヘアカラーさえ気を付けておけば他はもっともっと楽が出来ると言えます。



もちろん全てダメージが無いなんて事はありません。


出来れば全部気にしてあげる事が理想です。


でも

本当のダメージの原因を知らないと無駄な努力を繰り返してしまいます。

そういった方を増やさない為にダメージにに対しての認識を変えていかないとですね。






ダメージの原因をおしえてくれない


ではなぜこんな大事な事実を美容師さんはなかなか教えてくれないのか。


まずありがちな理由として

単純にへたにこれを教えてしまうとその後どんなヘアケアに関してアドバイスしても

「結局カラーの方が傷むんでしょ?」

と言われてしまい聞いてもらえなくなる恐れがあるからです。


実際はカラーでダメージを負っているからこそその他の細かい事に注意が必要になるのですが、安易に何をしても意味が無いと勘違いされてしまう可能性があるのであまり言わない様にしている方もいます。


でもこれはまだ良い方で、もう一つはちょっとたちの悪い理由



美容室に行ったときに

「カラー後はトリートメントしないと傷みますよ」とか

「このヘアオイルを乾かす前に必ずつけてください」とか

「市販のシャンプーを使ったら傷みますよ」とか

「ドライヤーは優しく丁寧にかつお風呂上りにすぐに」とか

色々な事を言われますよね。


でもその時したカラーのダメージについては

「オーガニック成分のカラーなので傷みません」とか

「髪に栄養を付けおくので傷みません」とか

「トリートメントをしっかりしたので傷みません」とか

あたかもこのカラーでは傷んでいないかの様に説明します。


これって

「あなたの髪のダメージはあなたの普段のヘアケアが原因であり私のせいではありません」

と言っているようなもの。


つまりダメージの責任転嫁です。


でもそうすることで

今後髪がどんな状態になろうともあくまで本人のせいであり美容師のせいでは無いと保険をかけることができるんです。


もし保険をかけようとしているなら

「〇〇よりもこのカラー1回の方が傷みますよ」

なんて言えないしそんな事は絶対に認める事はできませんよね。




髪は実際はとても強いものです。

以前、何千年も前のミイラから髪がほぼそのままの状態で発見された事は有名ですが

髪は本来それぐらい強固に作られているんです。






髪は人体最強?でも・・・


もし健康な髪なら

ちょっとやそっとヘアケアをさぼったところでたいして傷んだりしません。


でも実際髪のダメージに悩んでいる方は沢山います。


なんでそんなにも強いはずの髪がボロボロになってしまうのか

それは髪の持つ性質に関係します。



まず一つ目は

「そもそも人の体は化学変化に弱い」という事。


特にアルカリ性や酸性などのpH(ペーハー)の変化にとても弱い。


最近コロナの影響で一日に何度もアルコール消毒を行うので

手荒れしてしまっている方も多いかと思いますが

それも結局はpHの変化

肌は弱酸性なのにアルカリ性のアルコールを付ける事で皮膚がやられてしまいます。


しかし

手指の消毒に使われているアルコールはpH7の中性近くに調整されて出来るだけ肌に刺激が少ないようにしてあります。

それでも回数が多いと手荒れしてしまうんです。



美容室で使われるカラーやパーマの薬は

高いものでpH10を超える強いアルカリ性で出来ています。



それほど強いアルカリを付けても耐えられるのは髪がそれくらい強いからだと言えるんです。


その髪の強さのおかげで

曲げたり 伸ばしたり 明るくしたり 暗くしたり など

様々は変化に耐えられるので様々なデザインを楽しむ事が出来る。


もしそれほどの変化を体の他の部分、例えば骨や皮膚でやったとしたら一大事

完全にホラーですよね。


強い髪だからこそ可能なのですが本来人の体はこういった化学変化にとても弱いのです。




そしてもう一つは

「髪は再生能力が全く無い」という事


皮膚は多少アルカリでやられたとしても内側から新しい皮膚ができて再生され

pHも分泌される汗や皮脂などに中和され少しづづ弱酸性に戻っていきます。



しかしいつも言っている事ですが

髪は一度ダメージを負うと元には戻りません。


髪には再生能力が全く無いんです。


傷ついた組織はずっとそのままだし

pHもアルカリ性の薬剤をつけたらそのままではずっとアルカリ性になってしまいます。


カラー後アルカリ除去をしていない髪を半年後に計測したところカラー直後とさほど変わらないアルカリ性になっていたデータもありました。


それくらい

「髪はそれ自体には元に戻ろうとする力が無い」と言えます。


そして髪はアルカリ性に傾くと細胞同士の繋がりが弱くなり

キューティクルが開いた状態になります。



この状態のままですと摩擦が起きやすく絡まるのはもちろん水で流すだけでも内側のタンパク質が流出していきます。


つまりこの期間傷みっぱなしになるという事になるんです。





化学変化させた髪だからこそ


ここまでの事をまとめると


散々美容師から言われる普段のヘアケアは実はカラー1回の負担と比べると大したとこは無い。

髪は本来とても強固にできており、ドライヤーやブラシ、シャンプーなど日常的な事では簡単に傷むことは無い。


しかし

髪は化学変化にとても弱く髪自体の再生能力が全くない為、一度カラー等で化学変化させた状態ではとても脆くなってしまう。


その脆くなった状態をそのままにしてしまうからこそ

摩擦が起きないように気を付けたり

オイルなどでしっかりコーティングしたり

シャンプーも洗浄力の弱いものしか使えなかったりと

普段のヘアケアを頑張って頂かないといけなくなってしまうという事なんです。



そもそもは

その脆くなったままの状態が問題




近年パーマで失敗したという方の話をよく聞きます。


でもある年代以上の方はわかると思いますが、昔はパーマってもっとしょっちゅうかけてましたよね?

その頃ってそんな痛んでました?


確かにやりすぎて傷んだ方はいたと思いますが、それでも今ほどは多くはなかったと思います。


薬剤は確実に進化して

よりダメージを少なくかけられるようになったのに不思議ですよね?


でもあの頃のと比べて確実に変わったことってカラーをする人が増えたって事。

つまり

パーマがというよりはカラーで痛んでいる人が増えたからパーマで失敗する人が増えたんですよね。

ヘアカラーが手軽で一般的になった悪い側面です。




近年、髪のダメージの根本になっている多くのケースがヘアカラーです。


ホームカラーやカラー専門店の増加などの影響もあり、低価格化して誰でも手軽に染められる時代になったからこその負の産物なのかもしれません。


しかし、そのカラーをなんとかしない限りどんなへアケアも無駄になってしまいます。

逆にカラーのダメージをどれぐらい少なく出来るかで髪質は大きく変える事ができます。


ダメージが気になる方は何よりもまずカラーから見直さないといけないかもしれません。



ちなみに最初のダメージの大小の比較をわかりやすくするとこんな感じ




あくまでイメージですけど

こうやってみると美容室で行われるメニューって全て、かなりダメージのリスクが高いんですよね。



そんなリスキーなメニューだからこそ

それを上手く扱い出来るだけ髪に負担の少ない施術が出来る。


それがこれからもっと美容師に必要なスキルになるんじゃないでしょうか。


髪のプロって”上手く切る”だけじゃないと思います。


美容師が教えたくないダメージの真実とは

「髪のダメージの原因のほとんどは美容師が責任を担っている」

という事実なんです。



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【公式】 埼玉県上尾市毛髪科学・髪質改善の専門店美容室beaut"R"a';r(ビュートアール) 美容業界唯一のオリジナル5G髪質改善Revive等最先端の毛髪科学を取り入れ大切な髪と頭皮を守る髪質改善サロン。 白髪、薄毛、細毛、くせ毛やアレルギー等の髪の悩みを解消しそれぞれに合った美髪、艶髪、素髪を提供しています。 上尾駅東口徒歩5分。敷地内駐車場駐輪場完備。各種キャッシュレス決算対応。